SCARFACE

デパルマとアルパチーノのギャング映画。
キューバ系の移民が度胸とハッタリで「暗黒街の顔役」に上り詰める栄枯盛衰の一部始終を描く。

危険な依頼を強運で潜り抜け、度胸でボスに認められる。
ボリビアの麻薬王に気に入られ、コカイン密売の大物へと上り詰める。

人生には転機があり、自分で自分を過大評価しながら、自分の限界を押し上げる瞬間が必要なんだと思うけれども、そうやって作り上げた虚像の地位を守るためには、次には自分自身の変革が必要。

それを出来ない愚直さゆえの悲劇が、他のフィルムノワール同様に、予定されているのだけれども。

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊2.0

HDリマスタリングして、
SE取り直して(6.1チャンネル)
一部台詞と声優変えて
一部カットをデジタルでリニューアルしたとのこと。

95年のオリジナル版はLDで初見。DVDも友人から半ば借りパクする形で今も手元にあって、何度となく観ているので、期待とともに映画館へ。

以下個人的感想(ネタバレ含む)。

  • リマスタリング→もともと綺麗なのでよくわからん。
  • SE取り直し→雨の音とか足音とか良い感じ。でも映画館効果なだけで今までと同じかも?もう一度ヘッドホンでオリジナル版を観て比べてみたい。6.1chなのも、前後左右入り乱れての大銃撃戦シーンとかは無いのであまり効果的に思えず。
    銃声は詳しくないのでよくわからん。
  • 台詞と声優の変更→地味な台詞や配役を修正していて、どういう意図があるのかわからなかった。権利的なものか?後半、少佐を旧市街に運ぶヘリのパイロットの台詞とか、外務大臣の台詞とかが微妙に変わってたり微妙な言い回しを録りなおしてたり。
    前のバージョンが好きだったので、ちょっと残念。
    人形使いは女声に。
    オリジナルの女性擬体に男声というアンバランス(もしくは雌雄同体であるということ)が良かったような気がするが、新しい生命を産み出すもの=メスという図式を明確にしたかったのか、
    それとも素子と人形使いが「鏡写しのような似たもの同士」というメッセージを強調したかったのか。
    人形使いの喋り方はちょっと感情こもりすぎて、個人的にはすごく違和感が。
  • デジタルカット→そこはCGにしなくても・・・というところをCGにしてたような・・・
    海から浮上するシーンはまだ良いけれども、冒頭の光学迷彩で消えながら落下するシーンは、あまりモデリングが綺麗でないのもあって、劣化の方向性。
    オープニングのクレジット部分とラストカットは、端々にインサートされるネットを飛び交う光のイメージと統一されていて、世界観を見事にまとめあげていた。
    クライマックスの天使が降りてくるカットも、合わせて別の演出になっていた。

CG部分と描いている部分との使い分けにメッセージがあるのだろうか。
(しかし、アニメの制作工程がデジタル化させている今では、モデリングによるCGと、人が描いたものとの本質的な差異はますますなくなって来ているようだ。モデリングによって作家性を出せるのだとすれば、デジタルツールで「描く」こととの違いはツールと工程の違いでしかなくなるのではないだろうか)

全体的に、決定版とかディレクターズカット版とかでは全く無く、ブルーレイで再販したいメーカーのためだけのリニューアルの空気が漂う。

ギャング・オブ・アメリカ

アメリカのギャング史を映画の側面から紐解く。

無法者はアメリカの神話。神話の原点は20世紀初頭のニューヨーク。
イタリア、ユダヤ、アイルランドの移民たちが親族を中心に徒党を組み、
その日の食い物と子供たちの未来のために犯罪に手を染める。

彼らは波止場で働き、日常的に犯罪を犯し、やがて地位を築いていく。

1920年代、禁酒法と大不況がギャング達をヒーローにした。
(アルカポネの時代。当時、アルカポネを題材にした映画を撮った製作者にカポネ自身が言葉を送った「私の伝説化に感謝する」)

40年代の組合闘争への参画、50年代以降の合法組織を隠れ蓑にした活動など、時代とともに描かれていく映画のギャング像とその影響(ギャング自身が、映画上の『ギャングスター』に影響を受けていた)。

当然ハリウッドの中枢にもギャングの人脈、資金が流れていた。

ロード・トゥ・パーディション

ギャングの父とその息子の逃走劇は、一見悲劇的なプロットで進行するが、
日常で分かり合えなかった父と子は、憎悪と陰謀と血の海の中で
束の間お互いの深い愛を確認する。

愛は気付きにくく、身近であれば尚更。
求めれば、更に見えなくなる。

冒頭から息子の恐怖嫌悪の対象として描かれ、家族を壊す原因ともなった父の、その手から放たれた銃弾が、息子の命のみならず魂までも救うに至るクライマックスを見せられては、この映画はその悲劇的なストーリーにもかかわらず、文句なくハッピーエンドだったといえる。

伝わるものならば、後悔もあるまい。

プラトーン

地獄の黙示録主演のマーティン・シーンの息子、チャーリーが主演。
サイゴン陥落から10年も経ってからの映画なのと、オリバーストーンがベトナム経験者なのとで、思い出ムービーになっている感がある。

思い出として焼き付けたかった歴史は、ジャングルの中で静止した時に凌駕されて、
結果80年代のアメリカを焼き付けてしまった。

50年前を描いたプライベートライアンのスピルバーグでさえ、
歴史性を演出するのに老人のモノローグと星条旗を必要としたというのに。

若き日のジョニーデップがでているというのは、観た後で知った。

    
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