ノスタルジアというのは、過ぎ去った過去に対して抱く感情だと思っていたが、
実は過ぎ去った過去にこうなればいいと思っていた未来という夢こそを懐古している。
失われた10年に失われた夢は、時が失われる前の時代に感情として付帯していた。
ノスタルジアというのは、過ぎ去った過去に対して抱く感情だと思っていたが、
実は過ぎ去った過去にこうなればいいと思っていた未来という夢こそを懐古している。
失われた10年に失われた夢は、時が失われる前の時代に感情として付帯していた。
デパルマのニューヨーク時代の傑作。
不遇時代に撮られたことも相まって、カルト的な人気がある。
学生時代の友人がこれの大ファンで、遊びに行く度に見せられた。
筋はもちろん、カット割まで覚えているつもりだったが、改めて観るとやはり衝撃。
ウィンスローがシンシン刑務所を脱出するくだりまで、20分ちょい。
ものすごいスピード感。
ミュージック部分のクオリティが更にすごい。
冒頭の「ジューシー・フルーツ」は有名だが、フェニックスのオーディションのくだり(帽子を投げ捨てて踊る姿など素晴らしい!)、パラダイスのこけら落としも一流の出来。iPhoneに動画を入れて持ち歩きたいくらい。
学生時代には不条理だけを感じていたエンディングも、見直してみるとかすかに救いがあった。
傲慢と強欲がエンロンを滅ぼした。
エンロン崩壊の原因を、関与者へのインタビューや経営陣に対する調査委員会の取調べの様子から描き出していくドキュメンタリー。
2000年度年間売上高1,110億ドル(全米第7位)、2001年の社員数21,000名という、全米でも有数の大企業であった(wikipedia)というエンロンだが、不正経理疑惑を発端に2ヶ月足らずで破綻した。
電力自由化、カリフォルニア電力危機、ITバブルなどに踊り、巨額の利益を得ていたが、実業は大赤字で、時価主義会計と関連団体への負債の付け替えを繰り替えして作り上げたのは「砂の城」。架空の優良企業でありつづけることで株価を押し上げていたに過ぎなかった。
破綻に先駆けて、幹部たちは絶頂にあった自社株を売り抜けていた。
右肩上がりに急成長してきた企業が破綻へ向かう時、急成長を支えた幹部たちは身内だけを守る選択をした。
勝ちつづけてきた者ほど負け始めると脆い。
鏡写しのようなダメ男が二人。
現在に満足できないタチだと言って、刹那的な人生を続ける。
方向もあべこべ、沼地の先に理想郷があると信じて進むものの、道を選ぶ基準は「嫌なあいつと逆の道」。
悲しく美しい世界で、彼らは彼ら自身の不器用さにからめ捕られている。監獄よりも沼地よりも、抜け出すのが難しい世界。
有名すぎて言及するのもはばかられるが、冒頭のシークエンスがやはりすばらしい。
ここの下には石油の海が眠っている、すべて私のものだ─。
石油の海は、欲望の海。石油が生み出す利益を独占しようとする人々の争いの果てには、文字通り血の海が。
there will be blood.
かくてそこには血の海ができた。
唯一の良心であったはずの血縁すら切り捨てて。
油田の奪い合いにあけくれる20世紀初頭の西海岸。掘っ立て小屋と、木組みの油井を作って「開拓」していく人々が、寡黙に描かれていく。